1-1)「痛み」というものは「不快な感覚と情動」のことである。
「痛み」というものは、国際疼痛学会において「不快な感覚と情動」と定義されています。
つまり、身体の損傷などによって生じる「痛い!!!」という不快な感覚だけでは無く、その時の気持ち(情動)も含めたものが「痛み」なのです。
ちょっと難しいかもしれませんが、例えとして次の2つの状況を想像してみて下さい。どちらが辛そうですか?
① 友人と楽しく冗談を言い合いながら、背中を叩かれる。
② 知らない怖い人に強く叱責されながら同じ強さで、背中を叩かれる。
どうでしょうか?②の方が辛そうですよね。「痛み」の定義に基づいて考えてみても、叩かれた「不快な感覚」は同じですが、受け取り方で「情動」の差があるため、②の方が強い痛みとなりやすいです。
痛みの治療において、自分の「痛み」が「不快な感覚と情動」の2つで成り立っていることをしっかりと認識することがとても重要になります。その理由はコラム1-2で説明します。